■犬の尿中の重症熱性血小板減少症候群(SFTS)ウイルスの長期検出と分離
Long-Term Detection and Isolation of Severe Fever with Thrombocytopenia Syndrome (SFTS) Virus in Dog Urine
Viruses. 2023 Nov 8;15(11):2228.
doi: 10.3390/v15112228.
Yumiko Saga , Toshikazu Yoshida , Rieko Yoshida , Shunsuke Yazawa , Takahisa Shimada , Noriko Inasaki , Masae Itamochi , Emiko Yamazaki , Kazunori Oishi , Hideki Tani
Free PMC article
重症熱性血小板減少症候群(SFTS)は、SFTSウイルス(SFTSV)によるダニ媒介性の感染で、ヒトで約30%の高い死亡率を示す。近年、感染した犬と猫の体液を介し、SFTSVの接触感染の症例が報告されている。
この研究では、富山県で初めてSFTSVが確認された2頭の犬で臨床およびウイルス学的解析を実施した。
2頭は回復した;しかし、1頭は重症で、1頭は軽症だった。SFTSV遺伝子の量は、2頭でほぼ同じレベルに低下した。その犬の血清で、SFTSV遺伝子は低レベルで検出されたが、発現から約2週間後には検出限界以下に低下した。特に、2頭の尿中のSFTSV遺伝子は、他の標本よりも数千倍のレベルで検出された。さらに、遺伝子は2か月以上の長期間、尿で検出された。臨床症状は発現から1あるいは6日で消失したが、感染性SFTSVは3週後まで尿で検出された。
ゆえに、症状が消失した後でも、体液(特に尿)との接触について注意が必要である。(Sato訳)
■猫インフルエンザA(H7N2)ウイルスの特徴
Characterization of a Feline Influenza A(H7N2) Virus.
Emerg Infect Dis. January 2018;24(1):75-86.
Masato Hatta, Gongxun Zhong, Yuwei Gao, Noriko Nakajima, Shufang Fan, Shiho Chiba, Kathleen M Deering, Mutsumi Ito, Masaki Imai, Maki Kiso, Sumiho Nakatsu, Tiago J Lopes, Andrew J Thompson, Ryan McBride, David L Suarez, Catherine A Macken, Shigeo Sugita, Gabriele Neumann, Hideki Hasegawa, James C Paulson, Kathy L Toohey-Kurth, Yoshihiro Kawaoka
2016年12月から2017年2月の間に、H7N2サブタイプのインフルエンザAウイルスが、ニューヨークのアニマルシェルターで500頭以上の猫に感染し、猫の間でウイルスの伝染が示された。その猫達を治療した獣医師も猫インフルエンザA(H7N2)ウイルスに感染し、呼吸器症状を経験した。
哺乳類に対し、それら猫H7N2ウイルスの病原性と伝搬性を理解するため、著者らはインビトロとインビボでそれらの特徴を調べた。
猫H7N2サブタイプウイルスは、マウス、フェレット、猫の呼吸器官で、重度の病変を起こすことなく複製した。猫H7N2サブタイプウイルスの直接接触伝染はフェレットとネコで検出された;猫において、暴露された猫は呼吸飛沫でも感染した。
それらの結果は、猫H7N2サブタイプウイルスは猫の間で広がる可能性があり、また人も感染すると示唆される。ゆえに、猫H7N2ウイルスの流行は、公衆衛生のリスクを引き起こす可能性がある。(Sato訳)
■タイの犬と猫に対する汎流行性H1N1インフルエンザ暴露のエビデンス:血清学的調査
Evidence of pandemic H1N1 influenza exposure in dogs and cats, Thailand: A serological survey.
Zoonoses Public Health. 2018 Dec 14. doi: 10.1111/zph.12551. [Epub ahead of print]
Tangwangvivat R, Chanvatik S, Charoenkul K, Chaiyawong S, Janethanakit T, Tuanudom R, Prakairungnamthip D, Boonyapisitsopa S, Bunpapong N, Amonsin A.
インフルエンザAウイルスは、ヒトと動物で呼吸疾患を引き起こす。
この研究では、2011年9月から2014年9月の間にタイの19の省の47カ所のアニマルシェルターにおいて、家庭犬と猫のインフルエンザA抗体の調査を行った。
932頭の犬と79頭の猫から1011の血清サンプルを集めた。複数の動物種競合NP-ELISAと赤血球凝集抑制(HI)試験を用い、血清サンプルのインフルエンザA抗体を検査した。
NP-ELISAの結果は、0.97%(9/932)の犬が陽性、全猫サンプルが陰性を示した。汎流行性H1N1、ヒトH3N2、犬H3N2に対するHI試験は、0.64%(6/932)の犬、1.20%(1/79)の猫が陽性だった。全6サンプル(犬5頭と猫1頭)は汎流行性H1N1に対する抗体を有することが認められる。
まとめとして、タイのシェルターで犬と猫において汎流行性H1N1インフルエンザ暴露のエビデンスが明らかになった。(Sato訳)
■猫ひっかき行動に関するオーナーの観察:インターネット調査
Owner observations regarding cat scratching behavior: an internet-based
survey.
Language: English
J Feline Med Surg. October 2016;18(10):791-7.
Colleen Wilson , Melissa Bain , Theresa Deporter , Alexandra Beck , Vanessa Grassi , Gary Landsberg
目的:この研究は、どのように不適切なひっかき行動が容認できる標的に照準を変えてくれるのか判定しようと努力し、猫の側面、ひっかき行動に影響するような環境および爪とぎ柱の研究を行った。
方法:いくつかの公衆ウェブサイトに投稿したインターネット調査で、4か月間で4331の返答からオーナーの家庭環境においてオーナーが記述したひっかき行動についての詳細を集めた。39の異なる国からの返答を分析し、大部分はUSA、カナダ、UKだった。
結果:オーナーはロープ、段ボール、カーペット、木など従来推奨されているひっかき用基材を提供していた。提供するときはロープが最も使用頻度が高かったが、カーペットは最も一般的に提供していた。ほとんどのオーナーは1つ以上の爪とぎ柱を提供していた;猫は柱が単純な直立タイプあるいは2段以上あり3フィート以上のキャットツリーの時により多く好む基材をひっかいた。狭い柱(幅3フィート以内)は、広い柱(幅5フィート以上)より多く使用されていた。オスあるいは避妊済みメス猫は不適切にひっかくことが多く、不適切なひっかきは年齢とともに少なくなった。
10歳から14歳の老齢猫はカーペット基材を最も頻繁に好んだ;他全ての年齢は1番にロープを好んだ。不適切なひっかきは、家の中に異なるタイプ/スタイルのポストが増えると少なくなった。家庭で犬や猫の数が増えても、不適切なひっかきは増えなかった。抜爪した猫は、家のアイテムの破壊を防ぐため最も多く予防的に抜爪されていた。
結論と関連:猫には個々に好みがある可能性があるが、我々のデータは依頼者に対する獣医師の推奨するひっかき柱に対する出発点を提供する。(Sato訳)
■獣医師と動物看護士の血液におけるバルトネラ種の検出:新しい職業上の危険の認識?
Detection of Bartonella species in the blood of veterinarians and veterinary
technicians: a newly recognized occupational hazard?
Vector Borne Zoonotic Dis. August 2014;14(8):563-70.
Paul M Lantos; Ricardo G Maggi; Brandy Ferguson; Jay Varkey; Lawrence P Park; Edward B Breitschwerdt; Christopher W Woods
背景:ヒトと動物医療でバルトネラ種は重要な新しい病原体である。獣医専門家の日々の活動状況で、動物との接触や節足動物にさらされることも多い。従来の培養法によるバルトネラ種の検出は感受性が低く限界があり、感染の有病率の判定を難しくしている。著者らは集積培養と分子増幅を組み合わせた検出法を開発し、検査の感受性を向上させた。
方法:獣医の職員とそうでないコントロールの人の血液で、検出できるバルトネラ種の有病率を判定するため、横断研究を実施した。バルトネラは集積血液培養と従来のPCRに続きDNA塩基配列決定で検出した。結果は疫学的変数と徴候と関連させた。
結果:114人の職員のうち32人(28%)から少なくとも1つのバルトネラ種のDNAを検出した。DNAの塩基配列決定後、感染した人32人中27人でバルトネラ種を同定でき、15人(56%)がB.ヘンセラ、7人(26%)がB.
vinsonii subsp. Berkhoffii、6人(22%)がB. koehlerae、1人(4%)がB. volans様配列だった。バルトネラ陽性の人の70%と、比較として感染していない獣医師の40%が頭痛を述べた(p=0.009)。感染した人からは怒りっぽいということもより多く報告された(68%v.s.43%、P=0.04)。
結論:この研究は、過去に認識されたのもよりヒトでより頻度が多く、症状を誘発するかもしれない隠れたバルトネラの血流感染の新しい証拠体を支持する。バルトネラ感染の自然の経路および臨床的特徴を調べる縦断研究が必要である。(Sato訳)
■トキソカラ属の獣医学と公衆衛生面
Veterinary and public health aspects of Toxocara spp.
Vet Parasitol. April 2013;193(4):398-403.
Paul A M Overgaauw; Frans Van Knapen
ペットの犬と猫は、ヒトの環境に直接卵を排泄することで、犬回虫や猫回虫のような人畜共通線虫を媒介も中間宿主もなく伝播するのに重要な役割を演じている。ヒトの回虫症は、犬猫に対する有効な駆虫薬がるにもかかわらず危険なままである。
それら寄生虫の生物学および疫学、ヒトへの伝播を誘発するリスクファクターをよく理解することが有効な予防措置として必要である。この点で、優先されるべき重点は獣医師に対する質の高い継続教育の維持と、ペットオーナーへの情報の適切な供給である。One Healthコンセプトの中で獣医師と公衆衛生専門家の密接な協力も求められる。(Sato訳)
■セドスポリウムprolificans感染の疫学と転帰、162症例の概要
Epidemiology and outcome of Scedosporium prolificans infection, a review of 162 cases
Med Mycol. December 2008;0(0):1-12.
Rodriguez-Tudela , Berenguer , Josep Guarro, Serda Kantarcioglu , Regine Horre, Sybren De Hoog , Cuenca-Estrella
Scedosporium prolificansはまったく新興の真菌病原体である。22年間ヒトの病原体としてのみ認識されており、免疫不全および免疫応答性患者において多数の感染と関連している。
文献における症例の検索を実施し、データベースを構築した。感染の疫学と転帰を分析するため、症例を再調査した。合計162症例が含まれた。患者の年齢中央値は45歳(範囲2,3ヶ月から81歳)、男性において102(63%)の感染が診断された。セドスポリウム症に対するリスクファクターは、悪性腫瘍、74/162(45.7%)、嚢胞性線維症、19/172(11.7%)、固形臓器移植、14/162(8.6%)だった。最も一般的な臨床症状は瀰漫性感染、72/162症例(44.4%)、肺真菌症、47/162(29%)、骨および関節感染、17/162(10.4%)だった。基礎疾患、おもに血液学的悪性腫瘍(57/72(80%))の患者に全ての瀰漫性感染が見られた。瀰漫性真菌症に罹患した患者の70%が血液培養陽性だった。好中球減少、発熱、脳性症状は瀰漫性感染の発症の関連と無関係で、一方形成不全からの回復はリスク低減に関連した。
全体の死亡率は46.9%だったが、瀰漫性疾患の患者は87.5%だった。生存性は外科切除および形成不全からの回復と無関係だった。真菌治療は死亡リスク低減に関連しなかった。S. prolificansによる感染は、感受性のある患者で致死的で、実に新興疾患と考えることができる。多剤耐性種のため、感染の治療は困難である。この真菌症を治療する最適なテクニックとプロトコールを開発、広めるのを目的にした複数施設研究が必須である。(Sato訳)
■ヒトの亀関連サルモネラ症、アメリカ、2006-2007
Turtle-associated salmonellosis in humans--United States, 2006-2007
MMWR Morb Mortal Wkly Rep. July 2007;56(26):649-52.
Centers for Disease Control and Prevention (CDC)
亀と他の爬虫類はサルモネラのリザーバーで、ヒトへのサルモネラ感染の源と長く認識されている。小型亀は、それらの亀が健康の危険として認識されないかもしれず、おもちゃのように扱うことができるので若い子供に特に危険をあたえている。子供へのサルモネラ感染は、重度となることがあり、その結果、入院や突然の死亡をもたらす可能性がある。子供のサルモネラ感染と亀の暴露の関連により、アメリカで1975年に小型亀(すなわち甲羅の長さ<4インチ)の販売、配給禁止と法律で定められた。禁止により亀に関連するヒトのサルモネラ症はかなり減少した。そかし禁止が完全に強制ではなく、例外も含まれたため(たとえば教育目的の販売)、ヒト亀関連症例は発生し続けている。
この報告は、2006年9月から州及び地域保健局よりCDCに報告された乳児致死例を含む、いくつかの亀関連サルモネラ症の例を述べる。それら症例は、小型亀が依然ヒトサルモネラ感染の源であることを説明する。爬虫類獲得サルモネラ感染の予防を目的とした公の教育処置の継続は有益だが、小型亀の販売の禁止が、亀関連サルモネラ症を防ぐもっとも効果的な公衆衛生行為だろう。(Sato訳)
■犬のオーナーに見られるマラセチア・pachydermatisによる肉芽腫性皮膚感染
Granulomatous skin infection caused by Malassezia pachydermatis in a dog owner
Arch Dermatol. September 2006;142(9):1181-4.
Yi-Ming Fan, Wen-Ming Huang, Shun-Fan Li, Guo-Feng Wu, Kuan Lai, Rong-Yi Chen
背景:マラセチアpachydermatisは犬や多くの他の哺乳類の正常皮膚細菌叢の一部である。M pachydermatisはヒトの皮膚感染の原因菌として報告されていないが、未熟児や免疫無防備状態の成人の真菌血症や他の院内感染を起こすことは知られている。
所見:マラセチアpachydermatisは健康な女性の顔面肉芽腫と飼育犬の皮膚掻爬、耳垢標本から分離された。標準方法と走査型電子顕微鏡で酵母を同定した。皮膚バイオプシー標本で慢性炎症性肉芽腫、表皮壊死組織に多数の紫-赤円形または卵円形の胞子、真皮に低密度の赤い胞子が見られた。皮膚病変は、経口フルコナゾールと寒冷療法で治癒した。
結論:M pachydermatis誘発皮膚感染の確定診断は、主に真菌培養と組織検査結果に依存し、経口フルコナゾールと補助的寒冷療法の組み合わせが効果的な治療方法と思われる。(Sato訳)
■家猫に自然に感染した鳥インフルエンザH5N1
Avian influenza H5N1 in naturally infected domestic cat.
Emerg Infect Dis. 2006 Apr;12(4):681-3.
Songsermn T, Amonsin A, Jam-on R, Sae-Heng N, Meemak N, Pariyothorn N, Payungporn S, Theamboonlers A, Poovorawan Y.
私たちは鳩の死体を食べることによって感染した家ネコのH5N1ウイルス感染を報告します。この鳩と猫から分離されたウイルスは、タイで大流行した間に得られたウイルスと同じクラスターだった。猫は一般的な家庭のペットであるので、人間への疾病伝播が懸念されています。(Dr.Kawano訳)
■猫の鳥インフルエンザH5N1
Avian H5N1 influenza in cats.
Science. 2004 Oct 8;306(5694):241. Epub 2004 Sep 2.
2003年から2004年に鳥イフルエンザA(H5N1)ウイルスがアジアで流行し、猫はインフルエンザに抵抗力があると考えられていましたが、家猫において致命的な感染に関する事例報告がありました。 私たちは、ウイルス感染した鶏を猫に給餌することにより、実験的にH5N1ウイルスを気管内接取した。猫は、ウイルスを排出して、重度のび慢性性肺胞障害に発展し、歩哨猫にウイルスを伝播しました。これらの結果は、家猫がH5N1ウイルスによる病気や死に対するリスクがあり、水平伝播で感染可能であることを示し、またこのウイルスの疫学に役割を果たすかもしれない。(Dr.Kawano訳)
■多様な猫集団の腸管微生物叢における後天的抗菌剤耐性
Acquired antimicrobial resistance in the intestinal microbiota of diverse cat populations
Res Vet Sci. August 2006;81(1):1-7.
H Moyaert, E M De Graef, F Haesebrouck, A Decostere
この研究目的は、猫の常在腸管細菌叢における後天的抗菌剤耐性の普及率を調査し、多様な猫集団間の有意差を確認することだった。47頭の個別に飼育されている猫、47頭の猫舎で飼育されている猫、18頭の入院猫の直腸スワブから、糞中指標細菌としてEscherichia coli、 Enterococcus faecalis、E. faecium、Streptococcus canisを分離し、抗菌剤感受性試験を実施した。結果は、入院および/または猫舎の猫から分離された細菌は、個々に飼育されている猫よりもより耐性を持っている頻度が高いことを示した。入院猫から分離したE.coliは特にアンピシリン、テトラサイクリン、スルホンアミドに耐性を持っていた。Enterococciとstreptococciはテトラサイクリンに高い耐性を示し、エリスロマイシン、タイロシンで幾分低い傾向にあった。ほとんどの分離されたE. faeciumはリンコマイシンとペニシリンに耐性を持っていた。入院猫から分離された1つのE. faecalisとE. faeciumは、ヒトのenterococcal感染の症例に一般に使用される抗菌剤のゲンタマイシンに対し"高レベル耐性"(MIC>500mug/ml)を示した。
これら調査結果は、猫の腸管細菌叢における後天的抗菌剤耐性の広がりは、調査集団の社会環境に依存することを示す。健康な猫の微生物叢は、耐性遺伝子の貯蔵所として機能するかもしれないということが明白である。(Sato訳)
■抗菌薬剤抵抗性サルモネラを伝播するリスクとしての猫
Cats as a risk for transmission of antimicrobial drug-resistant Salmonella.
Emerg Infect Dis 10[12]:2169-74 2004 Dec
Van Immerseel F, Pasmans F, De Buck J, Rychlik I, Hradecka H, Collard JM, Wildemauwe C, Heyndrickx M, Ducatelle R, Haesebrouck F
人にサルモネラを伝播させるリスクが猫にあるかどうかを判定するため、飼育猫のサルモネラ排泄を評価した。健康な飼い猫278頭、疾患で死亡した猫58頭、群で飼育の猫35頭の直腸スワブ標本を採取した。群で飼育した猫は、3つのトイレがある一室で共通の水トレー、食餌トレーにより飼育した。35頭の群飼育猫のうち18頭(51.4%)、疾患猫58頭のうち5頭(8.6%)、健康な飼育猫278頭のうち1頭(0.36%)がサルモネラを排泄した。分離されたサルモネラの血清型は、Typhimurium、Enteritidis、Bovismorbificans、4:i:-だった。獲得していた抗菌剤抵抗性は、血清型Typhimurium(アンピシリン、クロラムフェニコール、テトラサイクリンに耐性;アンピシリンに耐性、クロラムフェニコールに耐性)と4:i:-株(アンピシリン、クロラムフェニコール、スルホンアミド、トリメトプリム、スルファメトキサゾール/トリメトプリムに耐性)だった。サルモネラを排泄する猫は、子供や老人、免疫抑制状態の人などサルモネラに高い感受性を持つ人々に公衆衛生的危険を持つ可能性がある。(Sato訳)
■ペットから人へ口臭を引き起こす細菌の伝搬は起こりうるか?
Is transmission of bacteria that cause halitosis from pets to humans possible?
Oral Dis. 2005;11 Suppl 1:96-7.
Iwanicka-Grze
gorek E, Kepa J, Lipkowska E, Michalik J, Pierzynowska E, Placha R.
目的:口臭を引き起こす細菌は、自然に動物の口に集落化する。ペットから人へこれらの細菌が伝搬するかどうかは興味深い疑問である。従って、この研究の目的は、愛玩動物と規則的に接触する歯科疾患患者と口臭の間に起こりうる相関関係を示すことであった。
材料と方法: 研究は20-62歳の口臭に悩む84人の患者と40名の健康なコントロールグループで行った。
各人がアンケートを終了して、官能検査スコア、揮発性硫黄化合物(VSC)の検査とニンヒドリン比色分析反応による唾液中の低分子集団のアミノ酸を評価した。VSCの基準値が125ppbと0-5ポイントスケールを使用した官能検査測定が2で口臭があると診断した。
統計分析は、ウイルコクソン検定とカイ2乗検定を使用して実行した。
結果: 結果は、口臭グループの患者の80%以上が幼年期にペットを飼っていたと報告し、70%以上が現在もペットを所有していることを示した。
コントロールグループでは、結果はそれぞれ47%と40%であった。 分析によって口臭の頻度と現時点でペットとの一定接触(P<0.001)あるいは幼年期での接触(P<0.001)との間に有意な相関関係が示された。
結論: 幼年期あるいは現在所有したペット(犬、猫)は口臭を引き起こす細菌を伝搬させるかもしれません。(Dr.Kawano訳)
■レプトスピラ症の再出現、カリフォルニア
Reemerging leptospirosis, California.
Emerg Infect Dis 10[3]:406-12 2004 Mar
Meites E, Jay MT, Deresinski S, Shieh WJ, Zaki SR, Tompkins L, Smith DS
レプトスピラ症は、カリフォルニアで再興感染症である。レプトスピラ症は世界中広く分布する人畜共通感染症であるが、アメリカ大陸で診断されることはあまりない。1982年から2001年、多く報告されたカリフォルニアの症例は、汚染した真水にさらされたレクレーション後の以前健康な若い白人男性で発生した。我々は、カリフォルニアで獲得したヒトレプトスピラ症の最近の5症例を報告し、その中には、この州で獲得したヒトレプトスピラ症の共通源発生を最初に述べ、その後の環境調査も述べている。カリフォルニア症例の顕著な特徴は、一様な腎障害を伴う高熱と軽度肝炎である。治療しなければレプトスピラ症は急速に進行するため、この再興感染は、発生率が低い州でさえも、レクレーションで真水で遊んだ履歴がある発熱患者で考慮する価値がある。(Sato訳)
■アメリカの4つの地域で飼育ネコのバルトネラ・ヘンセラ感染の罹患率、リスクファクター、遺伝的多様性
Prevalence, risk factors, and genetic diversity of Bartonella henselae infections in pet cats in four regions of the United States.
J Clin Microbiol 42[2]:652-9 2004 Feb
Guptill L, Wu CC, HogenEsch H, Slater LN, Glickman N, Dunham A, Syme H, Glickman L
アメリカの4つの地域(カルフォルニア南部、フロリダ、メトロポリタンシカゴ、メトロポリタンワシントンD.C.)で、1997年5月から1998年9月の間に、3ヶ月から2歳(平均年齢8ヶ月、中央値とモード6ヶ月)の都合の良いサンプル271頭の飼育ネコから採血した。65頭(24%)は、バルトネラ・ヘンセラ菌血症で、138頭(51%)はB.ヘンセラの血清陽性反応があった。菌血症と血清反応陽性の地域普及率は、フロリダ(33%、67%)、カリフォルニア(28%、62%)が高く、ワシントンD.C.(12%、28%)、シカゴ(6%、12%)が低かった。B. clarridgeiaeの菌血症のネコはいなかった。16S rRNAタイプを49頭の分離したB.ヘンセラで判定した。49頭中14頭(28.6%)は16S rRNA type Iに感染し、32頭(65.3%)は16S rRNA type II、3頭(6.1%)はIとIIの混合感染だった。ノミ寄生がB.ヘンセラ菌血症の有意なリスクファクターだった(オッズ比=2.82、95%信頼区間、1.1-7.3)。13ヶ月齢以上のネコは、菌血症に有意になりにくかった。(Sato訳)
■西半球でヒトの猿痘ウイルスの検出
The detection of monkeypox in humans in the Western Hemisphere.
N Engl J Med 350[4]:342-50 2004 Jan 22
Reed KD, Melski JW, Graham MB, Regnery RL, Sotir MJ, Wegner MV, Kazmierczak JJ, Stratman EJ, Li Y, Fairley JA, Swain GR, Olson VA, Sargent EK, Kehl SC, Frace MA, Kline R, Foldy SL, Davis JP, Damon IK
背景:2003年5月から6月の間に、アメリカ中西部のヒト達の間で水疱膿胞性発疹を伴う熱性疾患が流行し、そのヒト達は普通の卸業者を通し病気のプレーリードックと接触していた。細菌、またはウイルス病原体の人畜伝播が疑われた。
方法:我々は医療記録を再検討し、問診や検査を行い、11人と1匹のプレーリードックから検査のための血液や組織を採取した。組織病理学、電子顕微鏡検査、微生物培養、分子分析を行い、病原体を確認した。
結果:この大流行で評価した最初のウイスコンシン症例は、5人の男性と6人の女性、年齢は3歳から43歳で発生した。全ての患者は皮膚発疹を伴う熱性疾患を起こす前に、病気のプレーリードックと直接接触を持ったと報告した。我々は、4人の患者の皮膚病変組織から、ポックスウイルス感染の免疫組織化学、または超微細構造所見を発見した。
モンキーポックスウイルスは、ヒトの7つのサンプルとプレーリードックのサンプルの細胞培養で発見された。そのウイルスは、6人の患者やプレーリードックの組織、または分離されたもので、モンキーポックス特異DNA塩基配列の検出により確認された。疫学調査は、プレーリードックが、最近西アフリカからアメリカに輸入されたげっ歯類、最低1種に暴露されていることを示唆した。
結論:我々の調査は、西半球のヒトからモンキーポックスウイルスの分離と確認を発表する。ヒトの感染は、ペットとして飼育され、または販売されている病気のプレーリードックとの直接接触に関係していた。(Sato訳)
■野鳥のサルモネラ症
Salmonellosis in Wild Birds
Semin Avian Exotic Pet Med 13[2]:50-66 Apr'04 Review Article 88 Refs
Ian Tizard, BSc, BVMS, PhD
サルモネラ菌、特にサルモネラenterica、血清型Typhimuriumは、野鳥の腸に一般に見つかる。それら微生物は、いくつかのメカニズムによりトリ集団内で維持される。それらメカニズムの最もシンプルなものは、サルモネラ感染した餌を食べるリスクがある他の動物を食べるため、猛禽類で起こる。野生の、そして捕獲された猛禽類は、一時的、または持続的サルモネラキャリアーとなる、または感染した餌を食べた結果臨床上サルモネラ症を被る事さえあるかもしれない。
サルモネラ感染経路は、コンドル、カラス、最も重要なカモメのような清掃動物、腐肉を食べるトリに影響される。例えば、カモメは、生の下水を放出するところで、採食する日和見性の清掃動物である。彼らは比較的疾患に抵抗性であるが、サルモネラの有力なキャリアーとなり、他の動物への感染源であると思われる。他の状況で、汚染環境にさらされたトリは、偶然感染するかもしれない。これは土鳩と群生水鳥のケースである。
しかし、野鳥の最も有意なサルモネラ症の発生を見せるのは、燕雀目である。このように、ほんのわずかの健康な燕雀目は、長にサルモネラをとどめるが、それらの鳥は大多数が鳥を捕食するものに採食される。「鳥の餌を与える産業」の発達がこの問題を促進させている。ガーデンバード捕食者は、糞に含まれるようになるので、サルモネラ汚染が有意なレベルになるかもしれない。悪天候や食糧不足などのほかのストレスによるものならば、それらの鳥の多くがサルモネラ症を発症し死亡するかもしれない。フィンチ、イエスズメ、コウウチョウは特にリスクがある。
ファージや遺伝型は、S enterica Typhimuriumのそれら燕雀目キャリー株が特に鳴鳥に適合していると示唆される。それら感染鳥は、ヒトに感染を伝播させるかも知れず、直接取り扱った結果、またはより一般的に病気や死にかけの鳥を食べて感染した家ネコに触った結果起こるかもしれない。(Sato訳)
■人のトキソカラ症と犬との直接接触
Human toxocariasis and direct contact with dogs.
Vet Rec 152[14]:419-22 2003 Apr 5
Wolfe A, Wright IP
人におけるトキソカラ症は、昔から、汚染した土からの虫卵の摂取によって、罹患すると考えられております。疾患は、眼内幼虫寄生、内臓幼虫寄生、そして潜伏的トキソカラ症のような、さまざまな症候群として、現れると考えられます。この論文は、犬との直接接触が、疾患の疫学に関する、より良い解釈を提供するかもしれないという提案と、土壌汚染説に関する証拠を評価しております。アイルランドと英国のさまざまな場所から、60頭の犬の被毛を回収し、Toxocara canis虫卵の存在を調査しました。T. canis虫卵は犬の25%の被毛で、認められました。
全体で71虫卵が回収され、胚芽終了のものが4.2%、胚芽状態のものが23.9%でした。胚芽終了と胚芽状態の虫卵の最大密度は、それぞれ被毛あたり、180虫卵/被毛と、20虫卵/被毛で、これは、土壌サンプルで、報告された密度よりも高いものでした。T. canisに感染した犬は、直接接触により、人へ感染させるかもしれないことを示唆しております。(Dr.K訳)
■カリフォルニアの獣医師が自己申告した手の皮膚病
Susitaival P, Kirk J, Schenker MB.
Am J Contact Dermat 2001 Jun;12(2):103-8
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Self-reported hand dermatitis in California
veterinarians.
背景:獣医師はアレルゲンや汚物、化学薬品に暴露されます。しかし、獣医師の皮膚病には疫学的データがほとんどありません。
目的:獣医療での皮膚疾患に関する情報を得ること
方法:カリフォルニアの獣医師にアンケート表を送付しサンプルとした。
回答率は73%(1416人)でした。
結果:皮膚アトピーの経験をもつ獣医師は11%で、吸引性アトピーは63%でした。
46%の獣医師が皮膚疾患の治療中であり、一回以上もしくは年間を通して、手あるいは腕の皮膚炎をもつ人は女性で22%、男性で10%でした。28%の人で皮膚炎の悪化要因が仕事と関係しています。5人に1人の獣医師が動物と関連した皮膚症状をもっていました。他には、薬剤(2%)、グローブ(4%)、その他の化学薬品(7%)が悪化の原因となっています。動物関連性の皮膚病では、1種類の動物に限定してみた場合は65%(犬66%、猫29%、馬9%、牛8%)で、そのうちの66%が接触後すぐに症状が現れるとのことです。過去1年、もしくは1度ならず治療中の手や腕に皮膚病が出現した場合の危険因子をlog解析で示すと、皮膚アトピー(オッズ比3.5)、幼児期皮膚病(オッズ比3.4)吸引性アトピー(オッズ比2.0)の病歴そして、女性(オッズ比1.9)であった。
結論:獣医師の皮膚症状は一般的であり、しばしば1種類あるいはいくつかの動物種により即時型アレルギーの原因によるものである。(Dr.Shingo訳)
■特定の生化学、微生物学的異常を持つ15頭の犬猫に見られた慢性疲労症候群
Tarello W; Comp Immunol Microbiol Infect
Dis 24[3]:165-85 2001 Jul; Chronic Fatigue
Syndrome (CFS) in 15 dogs and cats with specific
biochemical and microbiological anomalies.
ヒトの慢性疲労症候群と、現存する動物の同様の疾病の原因で、非常に多くの議論と推測がなされている。慢性疲労症候群と診断された7頭の犬と8頭の猫(2頭は疾病管理センターワーキングケースの定義に合致)で、推測的なスタフィロコッカス感染と菌血症の関連を評価するため、急速血液培養と新鮮血スメアー調査を行った。
15の血液培養のうち9個でスタフィロコッカス陽性を証明し、4の分離菌をスタフィロコッカスxilosus
(3)、S. intermedius (1)と特定した。
血中の小球菌様微生物の存在は、疲労/痛み関連症候と筋疾患を示唆する生化学的異常に関する問題でよく観察される。
続く低用量砒素剤((thiacetarsamide sodium,
Caparsolate, i.v., 0.1 ml/kg/day) の治療で、全患畜は寛解した。
治療後10−30日後に血中から小球菌は消失した。結果は、5頭の健康なコントロールのそれらと、全く違う他の病気の患畜と比較した。(Sato訳)
■獣医の外科医やその手伝いの妻、慢性疲労症候群の動物を取り扱ったヒトに見られた、亜ヒ酸カリウムに反応するStaphylococcus
spp. 菌血関連性の慢性疲労症候群
Tarello W; Comp Immunol Microbiol Infect
Dis 24[4]:233-46 2001 Oct; Chronic fatigue
syndrome (CFS) associated with Staphylococcus
spp. bacteremia, responsive to potassium
arsenite 0.5% in a veterinary surgeon and
his coworking wife, handling with CFS animal
cases.
ヒトの患者の慢性疲労症候群(CSF)は、依然議論されており、緊急人畜共通の側面で混乱した状態である。人医の最近の進歩では、細菌性の原因と、血中の小球菌様微生物に関連する馬や犬、猛禽ですでに述べられている状態を指示するように思われる。
獣医外科医(著者)と手伝ってくれている妻は、慢性疲労症候群の診断と疾病管理センターのワーキングケースの定義に合致し、慢性菌血症の可能性を評価するため、急速血液培養と新鮮血スメアー調査を受けた。
血中のスタフィロコッカス陽性や小球菌様微生物を証明する血液培養は、砒素薬剤を投与する前の、抗菌剤などの数種の薬剤投与を行っている3年間に繰り返し観察され、不成功に終わった。
次なる治療で、低用量の砒素剤(亜ヒ酸カリウム0.5%、IM、1ml/12時間10日間)投与により2人の患者は完全に治癒した。
治療1ヵ月後に血中から小球菌は消失し、CD4/CD8比は上昇した。(Sato訳)